はじめてシナリオをつくるユーザーのために

 CardWirthをダウンロードして、レベル1からはじまり、シナリオをこなしていって、レベル3ぐらいまでくると、ふと思うことがある。
「おれもカードワースのシナリオをつくりたい」
 今回のコラムはこういうユーザーへのお話である。
 プログラミングの操作はできてもできなことがある。それはシナリオの構想である。簡単な話、小説を書くことに慣れている人なら、プログラミングの知識さえあれば、むずかしくなく大型の話をつくれる。大場康弘がそうだ。最初の作品が運命の境界線である。とくに、台詞のやりとりに巧さをもっているものは、簡単に人を引き付けられるシナを製造することができる。もちろんジャンルは、お話モノだが。
 ほかにも、人に大賞をとれるテクニックとしてあげられるものは、プログラミングの技巧が巧すぎるのと、つまり動作上のギミックが凝っているのと、一見して作り方がわからないものである。それは、あれをこうすれば俺にもできるなでなく、まじハテナマトリックス・まじマジカルである。こういう系に優れている人は、こつこつ飽きない気質の人でなくてはいけない。ローな単位でぎとぎとにできない人は、台詞ウケを狙ったお話ストーリーモノにいくべきである。
 またお店シナリオは、初級者・中級者は、手を出して作らないほうが好い。理由は、スキルカードなどの強さの設定が適切にわからないのは、全レベルを知らないからである。こういうところで、異端に強いカードとかだして、全てのエネミーが1ターンでおわったり蒸発する展開は、狂い系カードと呼ばれて、あまりウケないどころか、批判にさらされながら、実はやりこみすぎている人の間では、もはや戦闘が飽きられて、自作で卑怯なポテンシャルのスキルカードを装備させる人もいるが、こういう人を狙っても、どちらにしろ上級者にしか、このスキルカードのお店の感覚はわからないからだ。
 とりあえずお話モノ、読み物系と呼ばれるシナリオにも、バトルは最低でも3回ぐらいおいたほうがいいというのが、筆者の考え方だ。読み物系でも、サウンドノベル化すると、それは他のゲームソフトウェアを使えという話になる。べつにいいが、カードワースは冒険者を主軸とする話である。冒険者の物語にエネミーがいないのでは、バトルのないファイナルファンタジーと同じぐらい炭酸の抜けたソーダー水の有様である。
 まず、なにはともあれ冒険者の生態を学ぶところからはじめなければ、シナリオはできない。まず人を知るには文化からである。そういう意味では、冒険者の近くにはリューンという大きな街があり、そこには、貼紙でいけば一発でわかるが、冒険者より上級の職業が、冒険者にスキルを売って生計をたてている。また他人のシナリオによっては、異端審問会とか、宗教的団体などあるが、およそ西洋の中期をベースにしてつくられやすくなっているのが分かる。
 そして冒険者は冒険者の宿というところに住んでいる。ある種民宿みたいなもので、冒険で得た金貨をもとでに宿の親父に払って、住ましてもらっている。そういう設定である。
 冒険者は、本体の設定でつくれもするが、他人のシナリオからつれこむこともできる。またイタな話だが、カードワースフォルダのデフォルトの画像を自分で作った画像とすりかえて、自分の絵にするなど、工作は色々あるが、どんな人も、冒険者の稼業につけば、依頼人にたのまれたことをやって、お金をもらうことになる。また戦闘のプロである。またキャラクターによっては盗賊あがりの冒険者もいて、盗賊の腕はプロであるという設定もある。
 どちらにしても戦闘はプロなので、お店シナリオでもないのに、戦闘がないのは、カードワースとして面白くない。簡単に面白くする方法に、血に類することに面白みを持って描くと、エンターテイメントが華やける。なんでも人間の絶対に逃げられない運命性をちゃかして描いて、またそういう運命なのだというのは、これはジャンルを言うと労働コメディだ。この手法は定期的にいままでのカードワースから見て、たまにある風景だ。よく上手い人がする。だから、自分のシナリオに、大柄にせず、脇に置くようにぱっとやると、ユーザーはにやりとする。是非、シナリオ制作初級者の人に覚えてもらいたい手法だ。
 あとどのくらいプレイヤーを不安にふっていいのだろう。たとえば謎なダンジョンの迷路などだ。これはたまにこういうことにマッシュになる人がいるから、園芸できるが、普通はやになる。シナリオをダウンロードしたのに後悔する。なぜこれをダウンロードしたのか。もっとどうせ人なら人で甘い人が、世間の人がこのむように、たとえむずかしくしたいと思っても、甘さはあったほうがいい。おふざけで困窮するシナリオを思い描いて、ふふ……と笑う前に、おまえ何人中何人をクリアさせたいのか問いただしたい。答えは簡単だ。全員クリアさせなきゃ駄目だ。不良品みたいなのばらまいて、名前を覚えられたら二回目はない。もうこいつのシナリオはスルーすると、脳内設定されたら、ふりむいてくれないのだ。

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